下記に当てはまる方は注意が必要です!
- 身体がだるいと感じる
- 食欲がない
- 下半身のむくみが気になる
- 中年以降の女性である
自己免疫性肝炎とは
自己免疫性肝炎(Autoimmune Hepatitis, AIH)は、自己免疫系の異常により肝臓が慢性的に炎症を起こす疾患です。
免疫系は通常、体内の異物や病原体を攻撃して守る役割を果たしますが、自己免疫性肝炎では免疫系が誤って肝細胞を攻撃します。このため、肝臓に炎症が起こり、放置すると肝硬変や肝不全に進行する可能性があります。
AIHは全ての年齢層に発生しますが、特に中年女性に多く見られる傾向があります。
自己免疫性肝炎の原因
自己免疫性肝炎の正確な原因は未だに明確には解明されていません。
しかし、遺伝的要因や環境的要因などが複雑に絡み合って発症すると考えられています。
①遺伝的要因
家族に自己免疫性疾患を持つ人がいる場合、自己免疫性肝炎のリスクが高まることがあります。特定のHLA遺伝子型(人白血球抗原)が関連していることが報告されています。
②環境的要因
ウイルス感染や薬剤・毒物などの環境因子が要因となり、自己免疫反応が引き起こされることがあります。
EBウイルスやヘルペスウイルスなどのウイルス感染が関与することがあります。
③ホルモンの影響
女性に多く発症することから、エストロゲンなどのホルモンが自己免疫反応に影響を与える可能性が指摘されています。
自己免疫性肝炎のリスクと関連疾患
①肝硬変
長期間にわたる炎症によって肝機能が低下する肝硬変に進行することがあります。
肝硬変になると、肝不全や門脈圧亢進症などの重篤な合併症が生じる可能性があります。
②肝不全
肝臓の機能が著しく低下し、生命を維持するために必要な代謝活動が行えなくなる状態です。急性肝不全や慢性肝不全の発症リスクが高まります。
③肝細胞がん
肝硬変を背景に肝細胞がんが発生するリスクがあります。定期的な検査とフォローアップが重要です。
④自己免疫性疾患の併発
自己免疫性肝炎を持つ患者は、他の自己免疫性疾患(シェーグレン症候群、甲状腺疾患、関節リウマチなど)を併発することが多く見られます。
自己免疫性肝炎の検査
①血液検査
ALT、AST、ビリルビン、アルブミンなどの肝機能に関する項目を測定します。
自己免疫性肝炎では、これらの値が基準値よりも高い値を示すことがあります。
また、抗核抗体(ANA)、抗平滑筋抗体(SMA)、抗ミトコンドリア抗体(AMA)などの自己抗体に関する項目も調査し、これらの抗体が陽性であれば自己免疫性肝炎の可能性が高くなります。
②エコー検査
超音波をお腹に当てて行う検査です。
これによって肝臓の形や炎症の状態を観察します。
お問い合わせ
自己免疫性肝炎になると、様々な合併症のリスクも高くなってしまいます。
当院には肝臓に見識の深い医師が在籍しています。
少しでも違和感がある場合には速やかに医療機関へご相談ください。
web予約はこちら監修・執筆:福田浩之
- 役職:横浜橋クリニック院長
- 所有資格:日本内科学会認定医/日本消化器病学会専門医/日本超音波医学会専門医/難病指定医/身体障害者福祉法第15条に基づく指定医師
- 所属学会:日本肝臓学会/日本画像医学会
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