下記に当てはまる方は注意が必要です!
- 糖質をよく食べる
- つい食べ過ぎてしまう
- 健康診断で肥満を指摘された
- アルコールをよく飲む
- 最近疲れやすいと感じる
脂肪肝とは
脂肪肝とは肝臓の細胞に脂肪が過剰に蓄積する状態を指します。
大きく分けてアルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝(NAFLD: Non-Alcoholic Fatty Liver Disease)の2種類があります。
①アルコール性脂肪肝
長期間にわたる過剰なアルコール摂取によって引き起こされる脂肪肝です。
体内に入ったアルコールは肝臓で分解・解毒されるのですが、過剰量を摂取してしまうとこのアルコールの分解が追いつかず、中性脂肪として肝臓に溜まってしまうことで発症します。
アルコール摂取が原因ではなく、食べ過ぎや運動不足が原因の生活習慣病によって引き起こされる脂肪肝もあります。
NAFLDはさらに進行すると、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH: Non-Alcoholic Steatohepatitis)へと移行することがあります。
肝臓の性質上、脂肪肝になったとしてもすぐに身体に症状が出ることはあまりありません。
しかし、症状が出ていないだけで確実に肝臓には負担がかかっている状態になります。
詳しくは下記にて解説しますが、脂肪肝が進行すると様々な疾患のリスクが上昇します。
健康診断などで生活習慣を指摘されたり、脂肪肝の症状が現れている場合には速やかに医療機関を受診してください。
脂肪肝の原因
脂肪肝になってしまう原因には様々な要因がありますが、主に下記のものがあります。
過剰なアルコール摂取
長期間にわたる大量のアルコール摂取は、肝臓に脂肪を蓄積させてしまうことに酔ってアルコール性脂肪肝の原因になります。
アルコールを摂取する際には適量を意識しましょう。
肥満
体重が過剰になると、インスリンがうまくはたらかず体内に摂取された糖質がエネルギーに変換されなくなってしまいます。その結果、肝臓に脂肪が蓄積されやすくなります。
栄養失調
特に急激な体重減少や栄養失調が脂肪肝を引き起こすことがあります。
栄養が不足すると筋肉量が減少し、基礎代謝が落ちることによって肝臓に脂肪がつきやすい状態になってしまうことがあります。
遺伝的要因
親族に脂肪肝の人がいる場合、遺伝的に脂肪肝のリスクが高まることがあります。
脂肪肝のリスクと関連疾患
アルコール性脂肪肝炎(ASH)
アルコールの飲みすぎによって発症する脂肪肝が進行すると、肝臓に炎症が起こる、アルコール性脂肪肝炎が引き起こされます。
肝炎になると肝臓の細胞が破壊されてしまうため、肝硬変や肝がんを発症するリスクが高くなってしまいます。
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
脂肪肝が進行して肝臓の炎症が引き起こされてしまう疾患です。
アルコールの飲みすぎによって起こるものではなく、生活習慣の乱れなどによって進行する場合が主で、NASHが進行すると肝硬変や肝がんを引き起こすリスクが高くなってしまいます。
肝硬変
脂肪肝が長期間続くと肝細胞が破壊され、肝臓が硬くなってしまう肝硬変が発症します。
肝硬変になってしまうと、肝臓が正常に機能しなくなってしまい、むくみや腹水などの肝機能低下や肝臓がんの発症などにも繋がる可能性があります。
肝がん
アルコール性脂肪肝炎(ASH)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)や肝硬変の状態を放置してしまうと、最終的には肝がんのリスクが高まります。
肝がんは肝臓の特性上、症状が現れにくい疾患で進行すると命に関わる重篤な疾患でもあります。
血管疾患
脂肪肝になると中性脂肪が肝臓に溜まることになってしまい、血液中の中性脂肪濃度が高まることになってしまいます。
その結果、動脈硬化が進行し血液の流れが悪くなった結果、心筋梗塞や脳卒中などの血管疾患のリスクを高めることになってしまいます。
脂肪肝の検査
脂肪肝かどうかを調べるためには下記のような検査を行います。
①血液検査
血液検査にてALT、AST、γ-GTPなどの項目を調査し、肝機能が正常か否かを調べます。
これらの項目が基準値よりも高くなる場合、脂肪肝の可能性があります。
健康診断でも調べることが可能なため、指摘された場合には医療機関への受診をお勧めします。
②エコー検査
超音波で肝臓の状態を確認して、肝臓にどのくらい脂肪が蓄積されているのかを確認します。
これによって脂肪肝や肝硬変の進行度合いが分かります。
お問い合わせ
脂肪肝になると、様々な合併症のリスクも高くなってしまいます。
当院には肝臓に見識の深い医師が在籍しています。
脂肪肝の症状に当てはまったり、脂肪肝を指摘された場合にはお近くの医療機関へ必ずご相談ください。
web予約はこちら監修・執筆:福田浩之
- 役職:横浜橋クリニック院長
- 所有資格:日本内科学会認定医/日本消化器病学会専門医/日本超音波医学会専門医/難病指定医/身体障害者福祉法第15条に基づく指定医師
- 所属学会:日本肝臓学会/日本画像医学会
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