下記に当てはまる方は注意が必要です!
- 身体がだるい、重いと感じる
- 最近食欲がない
- からだがむくんでいると感じる
肝機能障害とは
肝機能障害とは、肝臓の機能が低下し正常に働かなくなる疾患です。
肝臓には主に体内の代謝、解毒、貯蔵、合成といった機能が備わっています。
①代謝
肝臓は体内に取り込んだ栄養素をエネルギーとして使用しやすい形に貯蔵し、必要なタイミングで使用する機能があります。
この必要な時に使用することは「代謝」と呼ばれ、糖質・脂質・タンパク質において主にこの役割を果たします。
②解毒
肝臓は体内に入る有害物質を解毒する重要な機能を持っています。
この機能は体内の健康を保つために不可欠で、主にはアルコールや薬物、金属や農薬などの毒素の分解を担っています。
③貯蔵
肝臓は体内で必要な栄養素やエネルギーを貯蔵する機能を持ち、体が必要とする時にそれらを供給します。
貯蔵する物質にはエネルギー源となるグルコースや脂肪のほか、ビタミンやミネラル類も含まれます。
④合成
肝臓は多くの重要な物質を合成し、これにより体のさまざまな機能をサポートします。
ホルモンや胆汁の生成も肝臓が成分を合成することによって分泌されています。
肝機能障害の原因
肝機能障害は、さまざまな要因によって引き起こされる可能性がありますが、主には下記のような原因が挙げられます。
ウイルス感染
B型肝炎ウイルス(HBV)やC型肝炎ウイルス(HCV)などのウイルス感染は、肝細胞に炎症を引き起こし、肝機能障害をもたらします。
これらのウイルス性肝炎は、慢性化しやすく、肝硬変や肝がんのリスクを高めます。
脂肪肝
肝細胞に過剰な脂肪が蓄積する状態で、アルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝(NAFLD)に分けられます。
アルコールの過剰摂取によって起こるのがアルコール性脂肪肝で、アルコールの分解ができなくなってしまうことによって引き起こされます。
一方、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)は食べ過ぎや運動不足などの生活習慣によって脂肪が肝臓についてしまう疾患であり、特に肥満や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病と関連しています。
薬剤性肝障害
薬剤の一部は、肝臓に対して有害な影響を及ぼすことがあります。
これによって引き起こされるのが薬剤性肝障害です。
処方薬やサプリメント、漢方薬などが原因となるものには様々なものがありますので、少しでも異変や違和感を感じたら医師や医療機関にご相談ください。
自己免疫性疾患
通常、体内に混入した異物を排除するために働く免疫系ですが、これが誤って肝細胞を攻撃することがあります。
これによって肝臓に炎症が起こると自己免疫性肝炎と呼ばれます。
原因は明確には分かっていませんが、検査によって気が付くことができる疾患でもあるため、定期的な健康診断の受診が大切です。
肝機能障害のリスクと関連疾患
肝機能障害は、放置するとさまざまなリスクや関連疾患を引き起こす可能性があります。
肝硬変
肝機能障害の状態が長期間続くと、肝臓が硬く変化し機能が低下してしまいます。
この状態を肝硬変と呼び、最終的には肝不全に至ることがあります。
肝不全
肝臓の機能が著しく低下し、生命を維持するために必要な代謝活動が行えなくなる状態です。
肝不全には急性肝不全や慢性肝不全があり、いずれも生命を脅かす重篤な疾患です。
肝がん
肝機能障害が進行すると、肝細胞がんのリスクが高まります。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど症状が出にくい臓器のため、症状がなかなか現れずにこの状態まで症状が進行してしまうこともあります。
生死に関わる場合もありますので、肝臓の異常を指摘された場合には放置をせずに必ずお近くの医療機関へご相談ください。
肝機能障害の検査
肝機能障害を診断するためには、いくつかの検査があります。
①血液検査
1)肝酵素測定
ALTやASTの値を測定します。これらの酵素は肝細胞の損傷によって血中に放出される物です。
そのため、肝機能障害によって肝臓が傷ついている場合には基準値よりも高い数値が出る傾向にあり、肝機能障害の指標となります。
2)ビリルビン測定
ビリルビンは肝臓で処理される赤血球の分解産物です。
ビリルビンの濃度が高い場合には肝臓での処理が追いついていないことになり、肝機能障害が疑われます。
3)アルブミン測定
アルブミンは肝臓で合成されるたんぱく質のことです。
その値が低下している場合は肝臓でのたんぱく質の合成が機能していないことになり、肝機能障害が疑われます。
②画像検査
お腹に超音波を当てて肝臓の形や脂肪の状態を確認します。
これによって肝機能の状態を観察します。
お問い合わせ
肝臓は人間の身体において非常に重要な役割を担っている臓器です。
症状は現れにくいですが、定期的な健康診断の受診によって肝臓の異変を察知することができます。
異常を指摘されたら医療機関を必ずご受診ください。
web予約はこちら監修・執筆:福田浩之
- 役職:横浜橋クリニック院長
- 所有資格:日本内科学会認定医/日本消化器病学会専門医/日本超音波医学会専門医/難病指定医/身体障害者福祉法第15条に基づく指定医師
- 所属学会:日本肝臓学会/日本画像医学会
医師紹介はこちら
肝機能障害の診断・治療なら 横浜市南区阪東橋駅近くの横浜橋クリニックへご相談ください。
路線図マップ
横浜橋クリニックは横浜市営地下鉄ブルーライン「阪東橋駅」が最寄り駅で、横浜市南区にある横浜橋商店街の中にある内科クリニックです。
当院は阪東橋駅から徒歩5分の場所に位置しているため、同じブルーラインの沿線上にある高島町や桜木町、関内、伊勢崎長者町、吉野町、蒔田、弘明寺などからも患者様にご来院いただいております。
また、京浜急行線の黄金町や南太田、日ノ出町、井土ヶ谷などからもご来院をいただいているほか、バスで磯子や丸山町などからもアクセスがしやすい立地にあります。
当院では高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病をはじめとして、肝臓専門医による脂肪肝、肝機能障害などの診断・治療、胃カメラ検査を用いた消化器疾患の治療も行っております。
健康診断で異常を指摘された場合や、消化器などに異変を感じた場合には阪東橋駅近くの横浜橋クリニックにご相談ください。