下記に当てはまる方は注意が必要です!
- かゆみがある
- ドライアイがつらい
- 口の中が乾燥して、喉が渇
原発性胆汁性胆管炎とは
原発性胆汁性胆管炎は、慢性の自己免疫性肝疾患であり、主に肝内の小さな胆管(胆汁を肝臓から十二指腸へ運ぶ管)に炎症が起こり、最終的には胆管が破壊される病気です。
この病気の結果、胆汁が肝臓に溜まり、肝臓の損傷や肝硬変に進行することがあります。
原発性胆汁性胆管炎は特に中年女性に多く見られ、他の自己免疫疾患と併発することもあります。
原発性胆汁性胆管炎の原因
原発性胆汁性胆管炎の正確な原因は完全には解明されていませんが、自己免疫反応が関与していると考えられています。
自己免疫反応とは、体の免疫系が誤って自分自身の組織を攻撃する現象です。
原発性胆汁性胆管炎では、免疫系が肝内の小さな胆管を標的にし、炎症を引き起こします。この免疫反応の背景には、以下の要因が関与している可能性があります。
①遺伝的要因
家族内に原発性胆汁性胆管炎や他の自己免疫疾患を持つ人がいる場合、原発性胆汁性胆管炎のリスクが高まることが示唆されています。特定のHLA遺伝子型が原発性胆汁性胆管炎の発症に関与しているとされています。
②環境要因
感染症や特定の化学物質が引き金となって自己免疫反応を引き起こすことがあります。
特定のウイルスや細菌感染が原発性胆汁性胆管炎の発症に関連している可能性があります。
③ホルモンの影響
原発性胆汁性胆管炎は女性に多く発症するため、性ホルモン(特にエストロゲン)が免疫系に影響を与える可能性も指摘されています。原発性胆汁性胆管炎のリスクと関連疾患
肝硬変
原発性胆汁性胆管炎が進行すると肝硬変になってしまうことがあります。
肝硬変は肝臓の機能を著しく低下させるため、様々な合併症を引き起こします。
骨粗鬆症
骨の強化にはビタミンDが必要であり、その吸収には胆汁が必要不可欠です。
しかし原発性胆汁性胆管炎になると胆汁が不足してしまうためビタミンDの吸収率が低下してしまいます。
その結果、骨密度が低下してしまい、骨折のリスクが高まる傾向にあります。
脂肪吸収不良
胆汁には脂肪の吸収作用もありますが、原発性胆汁性胆管炎になると肝臓の胆汁生成が障害されてしまいます。その結果脂肪の消化吸収が不十分になることがあります。
さらにこれによって脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の欠乏が生じることがあります。
原発性胆汁性胆管炎の検査
下記の検査をもとに診断を行います。
①肝機能検査
ALT、AST、ALP、ビリルビンなどの肝機能を測定し、肝機能の異常を計測します。
原発性胆汁性胆管炎になると特にALPの数値が上昇することが特徴的です。
②抗ミトコンドリア抗体(AMA)検査
約95%原発性胆汁性胆管炎患者で抗ミトコンドリア抗体が陽性となります。
この抗体があると、原発性胆汁性胆管炎を発症している可能性が高くなります。
③超音波検査(エコー)
お腹に超音波をあてて、肝臓や胆管の様子を診ます。
肝臓や胆管に構造の異常がないかどうかや炎症の有無を観察し、原発性胆汁性胆管炎の可能性を診断します。
お問い合わせ
原発性胆汁性胆管炎は原因不明の難病でもありますが、放置しておくと様々な疾患リスクが高まってしまう疾患でもあります。
病状が進行しないうちの早期の治療が重要なので、少しでも症状が現れたりいつもと違う奈と感じたら医療機関にご相談ください。
web予約はこちら監修・執筆:福田浩之
- 役職:横浜橋クリニック院長
- 所有資格:日本内科学会認定医/日本消化器病学会専門医/日本超音波医学会専門医/難病指定医/身体障害者福祉法第15条に基づく指定医師
- 所属学会:日本肝臓学会/日本画像医学会
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